どう声をかける?部下が話しやすくなる面談・傾聴のコツ【気づいて支える!メンタルヘルス対応術】3

気づいて支える!メンタルヘルス対応術

どう声をかける?部下が話しやすくなる面談・傾聴のコツ

「最近、部下の様子が気になるけれど、どんなふうに声をかければいいのか分からない」「面談をしても本音を話してもらえない」――そんな悩みを持つ管理職は多いものです。
メンタルヘルス不調の早期発見・対応のためには、部下が安心して話せる雰囲気づくりと、相手の気持ちを受け止める“傾聴”の姿勢が欠かせません。
今回は、適切なタイミングと声かけの例、傾聴の基本、面談の進め方、そして避けたいNG対応について具体的に解説します。

声をかけるタイミングと例

部下の変化に気づいたとき、「どう声をかければいいのか」と迷うことはありませんか。
大切なのは、“気になったら早めに”声をかけることです。忙しそうだからと後回しにせず、できるだけ落ち着いたタイミングを選びましょう。
たとえば、朝の始業前や昼休み、仕事が一段落したタイミングなど、周囲の目が気になりにくい場面がベストです。

声かけの最初は、できるだけシンプルに。「最近、元気がないように見えるけど大丈夫?」「何か困っていることはない?」といった、相手を気遣う言葉が効果的です。
「心配しているよ」「何かあればいつでも話してね」と伝えることで、部下も「気にかけてもらえている」と感じやすくなります。

傾聴の基本

面談や日常の会話で最も大切なのは、「傾聴」の姿勢です。
傾聴とは、相手の話を否定せず、遮らず、じっくりと耳を傾けること。
うなずきや相槌を打つ、相手の言葉を繰り返す(オウム返し)、表情や態度で「ちゃんと聞いているよ」と伝える――こうした小さな工夫が、部下の安心感につながります。

また、相手の話を途中でまとめたり、アドバイスを急いだりするのはNGです。
まずは「そうなんだ」「大変だったね」と共感を示し、相手の気持ちを受け止めることを意識しましょう。

面談の進め方

面談では、「話しやすい雰囲気づくり」が最優先です。
最初に「今日は最近の様子を聞かせてほしい」と伝え、相手が話しやすいようにリラックスできる環境を整えましょう。
話が進む中で、相手が沈黙したり、言葉に詰まったときは、無理に急かさず、ゆっくり待つことも大切です。

質問は「どうして?」ではなく、「どんなことがあったの?」「どんなふうに感じている?」と、相手の気持ちや状況を具体的に聞き出すオープンクエスチョンを使いましょう。
また、話の内容を整理しながら、「今、こういうことで困っているんだね」と確認し、相手の気持ちを言葉にして返すことで、信頼関係が深まります。

NG対応例と注意点

面談や声かけで避けたいのは、「頑張れ」「みんなも同じだよ」「気にしすぎじゃない?」といった安易な励ましや一般化です。
また、「とにかく早く元気になってほしい」「自分の経験ではこうだった」と自分の価値観を押し付けるのも逆効果です。

相手が話し始めたら、最後まで遮らずに聞き、否定や評価をせずに受け止めることが大切です。
どうしてもアドバイスをしたいときは、まず相手の気持ちを十分に聞いたうえで、「何かできることがあれば教えてね」と寄り添う姿勢を見せましょう。

まとめ

部下の不調サインに気づいたとき、適切な声かけと傾聴の姿勢が、早期発見と信頼関係づくりのカギになります。
「話しやすい」「受け止めてもらえる」と感じてもらえるよう、日々のコミュニケーションを大切にしましょう。
次回は、不調を感じた部下をどのように社内外の専門家につなげるか、その具体的な対応ステップについて解説します。

上部へスクロール