一人で抱えない!社内外の専門家につなぐ対応ステップ【気づいて支える!メンタルヘルス対応術】4

気づいて支える!メンタルヘルス対応術

一人で抱えない!社内外の専門家につなぐ対応ステップ

部下の不調サインに気づき、声をかけて話を聞いたものの、「自分だけで対応しきれるだろうか」「もっと専門的な支援が必要かもしれない」と感じることはありませんか。
管理職が部下の悩みや不調を一人で抱え込む必要はありません。
むしろ、適切なタイミングで社内外の専門家につなぐことが、本人の回復や職場全体の安心につながります。
今回は、産業医や人事、外部相談窓口への橋渡しの方法、守秘義務と配慮、記録の取り方について解説します。

専門家への橋渡し――「つなぐ」役割を意識する

管理職ができる最も大切なことの一つは、「必要なときに適切な支援先につなぐ」ことです。
不調が続いたり、仕事や日常生活に支障が出ている場合は、産業医や人事担当者、社内の相談窓口、あるいは外部のカウンセラーや医療機関への相談を検討しましょう。

「一度専門家に話を聞いてもらわない?」と、本人の気持ちを尊重しながら提案することが大切です。無理に受診や相談を強要するのではなく、「あなたの健康や安心のために、こういう選択肢もあるよ」と伝え、本人が納得できるようサポートしましょう。

また、社内の相談窓口や産業医面談、EAP(従業員支援プログラム)など、会社が用意している支援制度を改めて案内するのも効果的です。外部の相談機関や公的なメンタルヘルス相談窓口も、本人が希望すれば利用できることを伝えておきましょう。

守秘義務と配慮――プライバシーを守るために

相談内容や部下の状態については、必要最小限の関係者以外には決して漏らさないことが原則です。
特に、本人の同意なく職場内で情報が広まることは、信頼関係を損ねたり、さらなるストレスや不安を与える原因になります。

産業医や人事担当者、外部相談機関に情報を共有する場合も、事前に「どこまで伝えてよいか」を本人と確認し、本人の意思を尊重しましょう。
また、相談や面談の際は、できるだけプライバシーが守られる場所や方法を選び、周囲に配慮した対応を心がけてください。

記録の取り方――適切な記録が信頼と安心につながる

部下の不調に気づいて声をかけた、面談をした、専門家につないだ――こうした対応については、簡単な記録を残しておくことが大切です。
記録には、日付・対応内容・本人の反応や希望・今後の対応方針などを簡潔にまとめましょう。
記録は、後から状況を振り返る際や、万が一トラブルが発生した場合の証拠としても役立ちます。

ただし、記録はあくまで本人のプライバシーを守る形で管理し、関係者以外には開示しないよう注意が必要です。
会社の規定や個人情報保護方針に従い、適切に保管しましょう。

まとめ

管理職が一人で抱え込まず、社内外の専門家や相談窓口につなぐことは、部下の回復と職場の安心に直結します。
「つなぐ」役割を意識し、本人の気持ちとプライバシーを尊重しながら、必要な支援を届けていきましょう。
次回は、相談しやすい職場づくりやオープンな雰囲気づくりの工夫についてご紹介します。

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