ご相談内容
大阪市内で介護事業所を運営しています。現在、契約社員として働いている優秀なスタッフ3名を、正社員に転換したいと考えています。人材の定着と育成のために進めたいのですが、人件費の負担が心配です。正社員化で使える助成金や、受給要件・申請の流れを知りたいです。
お悩み
- 正社員化で使える助成金は?
- 受給要件は何?
- いくらもらえるの?
- 申請方法は難しい?
結論:キャリアアップ助成金(正社員化コース)が使えます
有期(契約社員・パート等)や無期の方を正社員に転換した場合に活用できます。2025年度は区分や金額の見直しがあり、対象者の属性によって支給額が変わります。まずは「対象者の区分」「賃上げの設計」「事前の計画づくり」をそろえることが大切です。
キャリアアップ助成金とは(ポイント)
- 目的:非正規の方の正社員化・処遇改善を後押しするための制度。
- 対象の例:有期→正規、無期→正規、派遣→正規(直接雇用)など。
- 助成額:人材区分(重点支援対象者 など)や企業規模で変動。中小企業の上限目安はあるものの、一律ではありません。
- 賃上げ要件:転換後の賃金を一定割合以上アップ(現行は目安3%以上)。計算に含めない項目にも注意が必要です。
- 計画:転換前までに「キャリアアップ計画」を作成・提出(認定は不要になりました)。
- 除外の例:新卒で雇入れ後1年未満の方 など。
支給額の考え方(2025年度のイメージ)
- 重点支援対象者を正社員化する場合は上限が高めの水準。
- それ以外の方は概ね半分程度の水準。
- 無期→正規は、有期→正規より助成額が低く設計されるのが一般的。
- 加算(派遣からの直接雇用 など)は再編・簡素化されています。
→ 具体の金額は年度・区分で異なるため、対象者を特定したうえで最新の要領をご確認ください。
受給要件(主なところ)
- 転換前の雇用:一定期間(目安6カ月以上)継続していること。
- 転換後の雇用:雇用保険・社会保険に加入し、同一事業所で継続。
- 賃金要件:転換前6カ月と比べ、転換後6カ月の賃金を一定割合以上(目安3%)引き上げ。
- 規程整備:就業規則等に「正社員転換制度」を明記(対象・手続・賃金 等)。
- 事業主要件:不本意な離職(事業主都合)などが直近にないこと ほか。
申請の流れ
- 事前準備:転換前までにキャリアアップ計画を作成・提出。
- 規程整備:就業規則へ転換制度を明記(対象・手続・賃金等)。
- 正社員化:辞令・労働契約の切替などを実施。
- 比較期間:転換後6カ月の賃金支払い・雇用継続。
- 支給申請:所定期限内に申請(スケジュールは年度要領に従う)。
介護事業の実務ポイント(つまずきやすい所)
- 手当の扱い:夜勤・処遇改善関連など、賃金比較に「含める/含めない」の整理が重要です。基本給・諸手当の設計を事前に並べ、要件(目安3%)を確実に満たす設計にしましょう。
- 職務・責任の明確化:配属や職務範囲、評価ルールが曖昧だと「正社員区分」の定義とズレやすくなります。就業規則・人事制度の用語をそろえておくと安心です。
- シフトの安定運用:転換直後の離職が続くと次回以降の審査で不利になる場合があります。面談、OJT、評価サイクルを早めに回し、定着を意識した運用に。
よくある質問
Q1:パート・アルバイトも対象になりますか?
A:対象になります。所定の雇用期間を満たし、正社員化と賃上げ等の要件を整えれば申請可能です。
Q2:複数名を同時に転換できますか?
A:可能です。人数上限や同時申請の扱いは年度要領で変わることがあるため、最新の案内でご確認ください。
Q3:受給までどれくらいかかりますか?
A:審査状況で前後します。目安はありますが、余裕をもってスケジュールを組むと安心です。
Q4:正社員化後に早期離職があった場合は?
A:即時返還となるとは限りませんが、離職の原因・時期によっては今後の申請に影響する場合があります。フォロー体制の設計を併せて進めましょう。
まずはここから(簡単チェック)
- 対象者が「重点支援対象者」に当たるか確認
- 就業規則に転換制度があるか、内容が最新か確認
- 正社員化後6カ月の賃金設計(目安3%アップ)を試算
- キャリアアップ計画の提出時期を確定
上本町社会保険労務士事務所では、
計画書作成、就業規則の整備、賃金比較のシミュレーション、申請書類の作成まで一貫してサポートしています。「要件を満たせるか不安」「どこから手を付ければ良いか分からない」など、どうぞお気軽にご相談ください。

