職場のハラスメントから自分を守るには?【働きやすい職場のメンタルヘルス】13

働きやすい職番のメンタルヘルス

職場のハラスメントから自分を守るには?

職場でのハラスメントは、誰にとっても他人事ではありません。
上司や同僚、部下との関係の中で、知らず知らずのうちに心が傷ついたり、働く意欲を失ってしまうこともあります。
「これくらい我慢すべき」「自分にも原因があるのでは」と感じてしまうかもしれませんが、ハラスメントは決して許されるものではなく、あなたの尊厳と健康を守るためにしっかりと対策を知っておくことが大切です。
今回は、ハラスメントの基礎知識、心の守り方、相談先、そして実際に問題が起きたときの対応フローについて解説します。

ハラスメントの基礎知識

ハラスメントとは、相手の嫌がることをして不快感を与える行為全般を指します。
職場における代表的なハラスメントには、パワーハラスメント(パワハラ)、セクシュアルハラスメント(セクハラ)、マタニティハラスメント(マタハラ)などがあります。
パワハラは、職場での優越的な関係を背景に、業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動によって、労働者の就業環境を害する行為です。
たとえば、人格を否定する発言や、過度な叱責、無視や隔離、過大・過小な業務の押し付け、プライベートへの過度な干渉などが含まれます。

セクハラは、性的な言動によって労働者に不利益を与えたり、就業環境を悪化させる行為です。
身体への不必要な接触、性的な冗談や発言、性的関係の強要、性的な事実関係の詮索などが該当します。
どちらも「相手がどう感じるか」が重要であり、「自分は悪気がなかった」では済まされません。

心の守り方とセルフケア

ハラスメントを受けていると感じたとき、まず大切なのは「自分の気持ちを大切にする」ことです。
「嫌なものは嫌」「許せないものは許せない」と線引きをして良いのです。
無理に耐え続けたり、我慢しすぎることで心が壊れてしまうこともあります。
ストレスが強いときは、リラックスできる時間を作る、趣味や運動、十分な睡眠やバランスの良い食事を心がけるなど、できるだけつらいことから意識を切り離す工夫をしましょう。

また、信頼できる人やカウンセラーに気持ちを話すことも大切です。心理的なサポートを受けることで、少しずつ心の痛みが和らぐことがあります。

相談先の紹介

ハラスメントに悩んだときは、決して一人で抱え込まず、相談窓口を活用しましょう。
主な相談窓口には、以下のようなものがあります。

会社の人事担当者や産業医、EAP(従業員支援プログラム)など社内の窓口も活用できます。
どの窓口も、秘密やプライバシーは守られ、不利益を受けないよう配慮されています。

実際にハラスメントが起きたときの対応フロー

ハラスメントが発生した場合は、以下の流れで対応するのが一般的です。

  1. 被害者からの相談
     まずは相談窓口や信頼できる人に状況を伝えましょう。相談時には、できるだけ具体的な事実や日時、内容をメモしておくとスムーズです。
  2. 事実関係の確認
     会社や相談窓口が、当事者や関係者から事情を聴き、事実関係を調査します。被害者のプライバシーや安全に最大限配慮されます。
  3. 加害者への対応・処分
     事実が確認されれば、加害者に対して注意・指導・処分などの対応が取られます。
  4. 被害者へのフォロー
     必要に応じて産業医やカウンセラーと連携し、心身のケアや職場復帰支援が行われます。
  5. 再発防止策の検討
     職場全体で再発防止のための教育や体制づくりが進められます。

ハラスメントを放置すると、被害者の苦痛が増すだけでなく、職場全体の雰囲気や業績にも悪影響を及ぼします。
「おかしい」と思ったら、早めに相談し、必要なサポートを受けることが大切です。

まとめ

ハラスメントは、誰にとっても無関係ではありません。自分の心と体を守るために、正しい知識と相談先、そして早めの対応を心がけましょう。「我慢しなくていい」「助けを求めていい」という気持ちを大切にしてください。
次回は、テレワーク時代のメンタルヘルスについてご紹介します。

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