女性に多い病気やケガと傷病手当金

女性に多い病気やケガの種類と原因

女性は、男性と比べて、特有の生理的・社会的な要因によって、様々な病気やケガにかかりやすいと言われています。ここでは、女性に多い病気やケガの種類と原因を紹介します。

・乳がん
女性のがんの中で最も多いのが乳がんです。乳がんは、乳房の細胞が異常に増殖してできる腫瘍です。乳がんの原因は、遺伝的な要因やホルモンバランスの変化、加齢、肥満、喫煙、飲酒などが関係していると考えられています。

・子宮頸がん
女性のがんの中で2番目に多いのが子宮頸がんです。子宮頸がんは、子宮の入り口にある子宮頸部の細胞が異常に増殖してできる腫瘍です。子宮頸がんの原因は、主にヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルス感染によるものです。HPVは性交渉で感染することが多く、感染した人のほとんどは自然に排除されますが、一部の人では排除されずに持続感染し、子宮頸がんを引き起こす可能性があります。

・骨粗しょう症
女性は、男性よりも骨量が少なく、更年期以降にホルモンバランスの変化で骨量が減少しやすいため、骨粗しょう症になりやすいです。骨粗しょう症は、骨密度が低下して骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。骨粗しょう症の原因は、遺伝的な要因や加齢、カルシウムやビタミンDの不足、運動不足、喫煙、飲酒などが関係していると考えられています。

・うつ病
女性は、男性よりもうつ病になりやすいと言われています。うつ病は、気分が落ち込んだり無気力になったりする精神障害です。うつ病の原因は、遺伝的な要因や脳内物質のバランスの乱れ、ストレスやトラウマなどが関係していると考えられています。女性は、生理周期や妊娠・出産・更年期などでホルモンバランスが変化することや、家庭や職場での役割や責任などでストレスを感じることが多いことなどが、うつ病になりやすい要因となっていると考えられています。

・膝関節損傷
女性は、男性よりも膝関節損傷になりやすいと言われています。膝関節損傷は、膝の靭帯や半月板などの組織が損傷することで、膝の痛みや腫れ、動きの制限などを引き起こす病気です。膝関節損傷の原因は、スポーツや事故などでの衝撃やねじれ、加齢による組織の劣化などが関係していると考えられています。女性は、男性よりも骨盤が広く、膝の角度が大きくなることや、ホルモンの影響で靭帯が弱くなることなどが、膝関節損傷になりやすい要因となっていると考えられています。

女性に多い病気やケガの予防と対策

女性に多い病気やケガとしては、乳がん、子宮がん、骨粗鬆症、膀胱炎、貧血などが挙げられます。これらの病気やケガを予防するためには、以下のような対策が有効です。

・定期的な健診や検診を受けること。乳がんや子宮がんは早期発見・早期治療が重要です。
・バランスの良い食事を摂ること。カルシウムや鉄分などの必要な栄養素を不足させないようにしましょう。
・適度な運動をすること。骨密度を高めるためには、筋力トレーニングや有酸素運動などが効果的です。
・喫煙や飲酒を控えること。喫煙や飲酒は、がんや骨粗鬆症のリスクを高めるだけでなく、免疫力や代謝を低下させます。
・ストレスを溜めないこと。ストレスは、ホルモンバランスや自律神経の乱れを引き起こし、さまざまな病気やケガの原因になります。

女性に多い病気やケガで休んだ場合の傷病手当金

傷病手当金とは、業務外の病気やケガで仕事に就けなくなった場合に、給与の一部を補償する制度です 。傷病手当金を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。

・仕事に就くことができないことが医師の診断書で証明されていること
・連続して3日間以上仕事に就けなかったこと(待期)
・休業した期間について給与の支払いがないこと

傷病手当金は、待期を除く休業4日目から支給されます。支給される金額は、支給開始日以前12ヵ月間の標準報酬月額の平均額÷30日×2/3です 。支給される期間は、支給開始日から通算して最長1年6ヵ月です 。

傷病手当金の申請方法は、以下の通りです。

・健康保険傷病手当金支給申請書に必要事項を記入し、医師の診断書(原本)を添付する
・申請書と診断書を会社に提出する
・会社が印鑑を押して健康保険組合に送付する
・健康保険組合が審査を行い、支給決定の通知を送付する
・指定された口座に傷病手当金が振り込まれる

女性に多い病気やケガで再就職した場合の注意点

病気やケガの状態を正直に伝えること。隠して就職しても、病気が再発するリスクが高くなります。
完治していない場合は、治療に専念してから再就職を目指すこと。完治前に活動を始めると、本人や再就職先にとって良いことはありません。
再就職先の仕事内容や勤務条件が自分の体調や能力に合っているか確認すること。無理をしないように配慮を求めることも大切です。

女性に多い病気やケガで障害年金を受ける場合の条件と手続き

障害年金は、病気やケガで生活や仕事が制限されるようになった場合に受けられる年金です。障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」があります。

障害年金を受けるためには、初診日(病気やケガで初めて医師の診療を受けた日)の前日において、一定の保険料納付要件を満たしている必要があります。 障害年金を受けるためには、障害認定日(障害の程度が判定される日)以降に請求書を提出する必要があります。遡及して受けられる年金は5年分が限度です。