労働契約の作成と管理

労働契約の種類と特徴

労働契約は、労働者と使用者が締結する契約で、労働者が使用者に雇用されて労働し、使用者が賃金を支払うことを内容とします。中小企業においても、さまざまな労働契約が存在します。

正社員
雇用期間の定めがなく、フルタイムで働く社員です。
安定した雇用と待遇を得られる一方で、転職の自由度は低い場合があります。

契約社員
雇用期間の定めがある社員で、フルタイムやパートタイムで働くことがあります。
雇用期間が終了すると契約の更新や解除が発生します。

パートタイマー
パートタイムで働く社員で、労働時間や勤務日数が柔軟に調整できます。
賃金や福利厚生が低い場合がある一方で、働きやすさが魅力です。

アルバイト
学生や主婦などが副業として行うことが多い社員です。
パートタイマーとほぼ同義で用いられます。


派遣社員
派遣会社と労働契約を結び、派遣先の企業で働く社員です。
派遣先の指揮命令を受ける一方で、賃金や労働条件は派遣会社が決めます。

業務委託
特定の業務を委託されて行う個人事業主です。
労働契約とは異なり、委託契約を締結します。

雇用契約書の記入例と記載すべき項目

絶対的明示事項
雇用契約書には、以下の5つの項目が絶対的明示事項として必ず記載されるべきです。

労働契約期間について
・正社員であれば「期間の定めなし」、パートタイム労働者で期間の定めがある場合には、契約期間を記載します。
・契約期間を更新する場合がある場合は、その旨を具体的に記載します。
・試用期間がある場合にはその期間と、正規採用になる日について記載が必要です。

就業場所や従事すべき業務に関すること
・実際に業務を行う場所を具体的に記載します。将来的に転勤等によって勤務場所が変わる可能性がある場合は、その旨も記載します。
・業務内容は実際に行う業務の内容を具体的に書きます。部署間に渡って業務が多岐に渡る場合には、就業する可能性のある業務についてすべて記載しましょう。

労働時間等について
・労働時間、休憩時間、休日、休暇などについて具体的に記載します。
例えば、始業時刻・終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間などです。

賃金について
・賃金の決定方法や計算方法、支払い方法、昇給の時期などを明示します。

退職に関する事項
・自己都合により退職する場合には、何日前までに申し出る必要があるのかを明記します。
定年退職の場合は、その年齢や定年後の再雇用の有無についても記載します。

これらの項目を雇用契約書に盛り込むことで、労働者と雇用主の両者が明確な合意を持ち、トラブルを未然に防ぐことができます。