判例労働契約法

重要判例

電通事件【過重労働と安全配慮義務】

電通の社員が、過重な業務によって心身を病み、自殺に追い込まれた事件。1991年と2015年に2回発生している。 争点・結論 電通は、社員に対して過重な業務を課し、健康を害するおそれがあることを知りながら、必要な措置をとらなかったとして、安全...
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古川電気工業・原子燃料工業事件【復職命令と同意】

復職命令と同意に関する判例です。この判例は、出向元の会社が出向先の会社の同意を得た上で、出向している従業員に復帰を命じた場合に、特段の事由がない限り、従業員の同意を得る必要はないとしたものです。 事案 A社が原子燃料部門を切り離してB社と合...
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川義事件【宿泊中の安全配慮義務】

宿直中の安全配慮義務に関する判例です。この判例は、宿直勤務中に社内に侵入した元同僚に殺害された従業員の遺族が、会社に対して安全配慮義務を怠ったとして損害賠償を請求した事件で、会社に損害賠償責任があると認めたものです。 事案 会社が24時間の...
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安全配慮義務の定義【陸上自衛隊八戸車両整備工場事件】

自衛隊員が車両整備中に同僚の運転するトラックに轢かれ死亡した。国は国家公務員災害補償金として76万円を支給したが、遺族は損害賠償を求めた。 争点・結論 国は公務員に対して、安全配慮義務を負っているかどうかが問題となった。最高裁判所は、国は公...
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勤務命令と権利濫用【東亜ペイント事件】

東亜ペイント事件 頻繁に転勤を伴う会社に入社した社員が、家庭の事情を理由に転勤を拒否したが、会社は転勤命令を発令し、それに従わなかったことを懲戒事由として社員を解雇した事案。 争点・結論 会社は個別の同意なしに転勤を命じることができるか、転...
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精神的健康と安全配慮【東芝うつ病事件】

東芝うつ病事件 過重労働でうつ病になり、休職期間満了により解雇された元社員が、解雇無効や損害賠償を求めた事案。 争点・結論 うつ病の発症は業務起因性と認められるか、使用者は安全配慮義務を違反したか、元社員の過失相殺や素因減額があるかが争点と...
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就業規則の不利益変更【大曲市農協事件】

大曲市農協事件 7つの農業協同組合が合併し、新しい退職金規程が作成されました。この新規程は従来のものより退職金額を減額する内容でした。従業員は不利益変更であると主張し、差額の支払いを求めました。 争点・結論 退職金規程の変更が不利益変更に当...
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解雇法理の類推適用【日立メディコ事件】

日立メディコ事件 期間を定めた労働契約を5回更新してきた臨時従業員が、会社の不況に伴う人員削減のために雇止めされたことに対し、解雇に関する法理を類推適用して無効と主張した事案。 争点・結論 期間を定めた労働契約の更新を繰り返した場合に、解雇...
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就業規則の変更と労働者の同意【みちのく銀行事件】

みちのく銀行事件 みちのく銀行が、経営改善のために就業規則を変更し、従業員の給与や退職金を大幅に減額したことに対し、労働組合が無効や取消しを求めた事案 争点・結論 就業規則の変更には、労働者の同意が必要かどうかが争点となった。最高裁は、就業...