個人事業主として創業したばかり、あるいは法人を設立して初めて従業員を雇用する予定の経営者の皆さん。雇用保険の加入は、事業主としての重要な義務の一つです。従業員を一人でも雇用する場合、原則として雇用保険への加入が必要となります。
「いつから手続きが必要なの?」「どんな書類を準備すればいいの?」 そんな疑問にお答えするため、創業時や従業員雇用時の雇用保険手続きについて、必要なケースから具体的な手順まで、分かりやすく解説します。
目次
雇用保険が必要となるケース
創業時の対応
- 個人事業主が従業員を初めて雇用する場合
- 法人設立と同時に従業員を雇用する場合
- 農林水産業以外の事業では、従業員を1人でも雇用した時点で必須
従業員雇用時の確認事項
- 雇用期間が31日以上見込まれる
- 週の所定労働時間が20時間以上
- パート・アルバイトでも条件を満たせば加入必要
手続きの全体の流れ
STEP1:労働保険関係の成立手続き
- 労働保険関係成立届の提出(従業員雇用後10日以内)
- 労働保険概算保険料申告書の提出(成立日から50日以内)
STEP2:雇用保険の適用手続き
- 雇用保険適用事業所設置届の提出
- 雇用保険被保険者資格取得届の提出(翌月10日まで)
手続きは管轄の労働基準監督署とハローワークで行います。最近は電子申請も可能となり、手続きがより便利になっています。
なお、個人事業主本人は雇用保険に加入することはできませんが、従業員を雇用した場合は、必ず加入手続きを行う必要があります。
手続きを怠ると罰則の対象となる可能性もあるため、期限には特に注意が必要です。
雇用保険の基礎知識
雇用保険とは何か
雇用保険って聞いたことはあるけど、実際どんな制度なの?そんな疑問にお答えします!
雇用保険は、働く人のセーフティネット。失業した時はもちろん、働き続けるための支援も行う大切な制度なんです。失業給付金はよく知られていますが、それだけじゃありません。
再就職支援や、育児・介護との両立支援など、幅広いサポートを提供しているんですよ。2024年4月からは保険料率が改定され、労働者負担が0.5%、事業主負担が0.85%(一般の事業の場合)となっています。国も費用の一部を負担して、みんなで支え合う仕組みなんです。
雇用保険の適用範囲と対象者
雇用保険、誰が対象になるの?適用範囲を知ることは、経営者や人事担当者にとって超重要です!
基本的には、労働者を1人でも雇っている事業所が対象。でも、例外もあるんです。農林水産業の個人事業主で常時5人未満の労働者を雇用している場合は任意適用。
対象となる労働者は、正社員はもちろん、パート・アルバイトも条件を満たせば加入できます。2024年からは、副業・兼業をしている方も、それぞれの勤務先で要件を満たせば加入できるようになりました。でも、家事使用人や法人の役員は対象外。
そして、注目ポイント!週20時間以上働き、31日以上の雇用見込みがある人が加入の対象になります。65歳以上の方も、この条件を満たせば加入できますよ。この条件、しっかり覚えておきましょう。
適用範囲をしっかり把握して、従業員の方々をしっかりカバーしていきましょう!
雇用保険の加入条件
雇用契約が31日以上必要
雇用保険に加入するには、まず雇用期間がポイント!31日以上の雇用契約が必要なんです。
これ、重要なポイントですよ。短期のアルバイトやイベントスタッフなど、1ヶ月未満の雇用では原則加入できません。でも、契約期間が短くても、更新の可能性があれば対象になることも。
また、派遣社員の場合は、派遣元の会社との契約期間が基準になります。2024年からは、複数の会社で働く方も、それぞれの会社で31日以上の雇用見込みがあれば、各社で加入できるようになりましたよ。
31日以上の雇用、覚えやすい基準ですよね。この条件を満たしているか、しっかりチェックしましょう!
週20時間以上の労働時間
週20時間以上働いているか、これが雇用保険加入のもう一つの重要な条件です!
フルタイムの方なら問題ないですが、パートやアルバイトの方は要注意。週4日で1日5時間、週5日で1日4時間、こんな感じで20時間以上になればOKです。副業・兼業の場合も、それぞれの会社での勤務時間が20時間以上必要です。
ただし、繁忙期は20時間以上だけど、閑散期は20時間未満、そんな変動的な勤務の場合は要相談。年間を通じての平均で判断することもあります。
週20時間以上、簡単そうで意外と見落としがちな条件。従業員の勤務時間をしっかりチェックして、適切な加入を心がけましょう!
学生は対象外
学生さんの雇用保険加入、ちょっと特殊なんです。基本的に学生は加入対象外なんですよ。
でも、例外もあります
- 卒業見込みの学生(卒業まで1年以内)
- 夜間学生で主に労働をしている人
- 休学中の学生
- 専修学校の一般課程や各種学校の学生で一定の条件を満たす人
- 昼間学生でも、生計を維持するためのパートタイム労働者として働いている場合
アルバイト学生の多い飲食店や小売業の方々、ここは要注意ポイントです!学生さんの状況をしっかり確認して、適切に対応しましょう。
学生の雇用保険、一筋縄ではいきません。でも、きちんと理解して対応すれば怖くありません。従業員の方々としっかりコミュニケーションを取りながら、適切な対応を心がけましょう!
雇用保険の被保険者の種類
一般被保険者とその要件
雇用保険の被保険者、その中心となるのが「一般被保険者」です。どんな人が該当するのか、しっかり押さえておきましょう!
一般被保険者って実は、とってもシンプル。先ほど説明した加入条件(31日以上の雇用見込み、週20時間以上の労働)を満たす方々のことなんです。正社員はもちろん、パート・アルバイトでも条件を満たせば該当します。2024年からは65歳以上の方も、条件を満たせば高年齢被保険者として加入できるようになりましたよ。
ただし、短期雇用特例被保険者や日雇労働被保険者に該当する人は除外されます。これ、ちょっとややこしいですよね。
一般被保険者が最も一般的な区分。多くの従業員はここに該当します。しっかり理解して、適切な手続きを進めていきましょう!
短期雇用特例被保険者の条件
短期雇用特例被保険者、聞きなれない言葉かもしれません。でも、季節労働者を多く雇用する業種では要注目の区分なんです!
これは、季節的に雇用される人や、短期の工事現場で働く人などが対象。具体的には、4ヶ月を超え1年以内の期間を定めて雇用される人で、週30時間以上働く人が該当します。
農業や観光業、建設業などで多く見られる雇用形態ですね。でも、同じ会社で1年以上働くことになったら、一般被保険者に切り替わりますよ。一般被保険者とは別の給付制度が適用されるので、注意が必要です。
日雇労働被保険者の特徴
日雇労働被保険者、その名の通り日々雇用される方々のための区分です。どんな特徴があるのか、見ていきましょう!
この区分は、30日以内の期間を定めて雇用される方が対象。でも、すべての日雇労働者が該当するわけではないんです。建設業や製造業など特定の業種で働く方が中心です。
面白いポイントとして、同じ会社で2ヶ月連続して月18日以上働いた場合は、翌月から一般被保険者になっちゃうんです!これ、意外と知られていない重要なルールですよ。
日雇労働者が多い業種では、適切な手続きと対応が求められます。しっかりと理解して、従業員のサポートに役立てましょう!
雇用保険の加入手続きの流れ
事業所の適用手続き
まず最初に行うべきは、事業所の適用手続きです。これが完了しないと、従業員の加入手続きが進められません。
手続きは、ハローワークで行います。必要書類を揃えて、事業所の適用届を提出しましょう。最近は電子申請も便利になって、GビズIDがあれば自宅やオフィスからでも手続きできるんです!書類の記入は慎重に、間違いがないように心がけてくださいね。
従業員の加入手続き
事業所の適用手続きが完了したら、次は従業員の加入手続きです。新しく雇用した従業員が対象になります。
必要な書類は、雇用保険被保険者資格取得届です。これを提出して、従業員の加入手続きを行います。2024年からは副業・兼業の方の手続きもできるようになりましたよ。書類はハローワークに提出するか、電子申請で手続きができます。
必要書類の準備
手続きには、以下の書類が必要です
- 雇用保険被保険者資格取得届
- 従業員の労働条件通知書または雇用契約書の写し
- 事業所設置届または事業所設置届出事項変更届の写し(新規事業所の場合)
書類は正確に記入し、漏れがないようにしましょう。電子申請なら、書類をPDFでアップロードするだけでOKです!
雇用保険の手続きにおける注意点
手続きの期限を守る
雇用保険の手続きは、期限を守ることが非常に重要です。遅延すると、従業員が給付を受けられなくなる場合があります。
業所の適用手続きは、新たに労働者を雇用した日から10日以内に行いましょう。従業員の加入手続きは、雇用した月の翌月10日までが期限です。2024年からは電子申請がより便利になって、24時間365日いつでも申請できるんです!
書類の記入ミスに注意
書類の記入は、慎重に行いましょう。ミスがあると手続きが遅れる原因になります。特に、従業員の氏名や生年月日、雇用契約期間などの重要な情報は正確に記入してください。電子申請を利用すれば、入力内容のチェック機能もあるので安心です。
ハローワークのサポートを活用する
手続きが分からない場合や不安な場合は、ハローワークのサポートを活用しましょう。電子申請について困ったときは、専用のサポートデスクに相談することもできます。また、社会保険労務士に相談するのも良い方法ですよ。専門家のアドバイスを受けることで、スムーズな手続きが可能になります。
手続きのサポートを活用しよう!
分からないことがあっても大丈夫。社会保険労務士に相談してみませんか?私たち社労士は、雇用保険の手続きのプロフェッショナル。初回相談は無料のケースも多いんです。
もちろん、ハローワークの窓口で相談するのも良い方法です。電子申請で困ったときは、専用のサポートデスクも利用できますよ。
特に初めての手続きは不安なもの。社労士に相談すれば、書類作成から提出まで、きめ細かなサポートを受けられます。手続きの期限や書類の不備で困らないよう、ぜひ専門家のアドバイスを活用してくださいね!
手続きは面倒だと感じるかもしれませんが、従業員のための大切な制度です。期限に余裕を持って、正確な手続きを心がけましょう!
雇用保険に関するよくある質問
Q1:雇用保険の加入要件は?
雇用保険の加入要件、気になりますよね?実は、原則としてすべての事業が対象なんです!従業員を一人でも雇っていれば、強制加入となります。
ただし、以下の2つの条件を満たす必要があります
- 31日以上の雇用見込みがある
- 週の所定労働時間が20時間以上
また、農林水産業の個人事業主で常時5人未満の労働者を雇用している場合は任意適用となります。
Q2:雇用保険料はいくら?
2024年4月からの保険料率をご説明しますね!
一般の事業の場合:
- 労働者負担:0.5%
- 事業主負担:0.85%
- 合計:1.35%
これは給与総額に対する率なので、例えば月給20万円の場合、労働者負担は1,000円、事業主負担は1,700円となります。
Q3:学生アルバイトは加入できる?
学生アルバイトの加入、実はケースバイケースなんです!
原則として学生は加入対象外ですが、以下の場合は加入できます
- 卒業まで1年以内の学生
- 夜間学生で主に労働をしている人
- 休学中の学生
- 生計を維持するためのパートタイム労働者として働いている場合
Q4:副業・兼業の場合はどうなる?
2024年から副業・兼業者の取り扱いが変わりました!
それぞれの勤務先で以下の条件を満たせば、複数の会社で加入できます
- 31日以上の雇用見込み
- 週20時間以上の労働時間
ただし、それぞれの勤務先で別々に加入手続きが必要ですよ。
Q5:65歳以上でも加入できる?
はい、65歳以上でも加入できます!
65歳以上の方は「高年齢被保険者」として、以下の条件を満たせば加入できます
- 31日以上の雇用見込み
- 週20時間以上の労働時間
ただし、給付内容は64歳以下の方とは異なる部分があるので注意が必要です。
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