就業規則を「信頼の基盤」に【メンタルヘルスと就業規則】6

メンタルヘルスと就業規則

ここまで、メンタルヘルス対応と就業規則についてお伝えしました。

第1回では、メンタル不調を放置するリスクを。第2回では、休職ルールのシンプルな作り方を。第3回では、復職判断の基準を。第4回では、初期対応の極意を。第5回では、再発させない環境づくりを。

そして、最終回の今回は「実践編」です。

「ここまで読んで、勉強になった。でも、うちの会社で何から始めればいいんだろう?」
そう思っていませんか? 大丈夫です。この記事で、明日から何をすればいいかが、はっきりします。
メンタルヘルス対応は、「コスト」ではなく「投資」です。
トラブル防止、離職率低下、採用力向上、企業ブランド向上
すべてが企業成長に繋がります。

そして、就業規則は「縛る道具」ではなく「守る盾」です。
従業員を守り、会社を守り、お互いの信頼関係を築く基盤になります。
この記事では、すぐ使える条文セット、規模別のロードマップ、トラブル時の備え、運用、社労士の賢い使い方、そして採用戦略まで

実践に必要なすべてをお伝えします。

さあ、会社の未来のために、今、行動を始めましょう。

これだけは絶対に入れておきたい! 厳選「メンタル条文」セット

就業規則に盛り込むべき条文の全体像

メンタルヘルス対応のために、就業規則に入れるべき条文は次の7つです。

①健康管理
②メンタルヘルスケア
③休職
④復職
⑤休職期間満了
⑥ハラスメント禁止
⑦相談体制

これらをセットで整備することで、予防から対応、復職まで、一貫した仕組みができます。

①健康管理条項

まずは、健康管理の基本条項です。

第○条(健康管理)

1. 会社は、従業員の健康管理に努める。

2. 従業員は、健康診断を受診し、健康の保持増進に努めなければならない。

3. 会社は、従業員の健康状態に応じて、必要な措置を講じることができる。

なぜ必要か:
会社が健康管理に責任を持つという姿勢を示し、従業員にも協力を求める基本条項です。

②メンタルヘルスケア条項

メンタルヘルスに特化した条項を設けましょう。

第○条(メンタルヘルスケア)

1. 会社は、従業員のメンタルヘルスケアに取り組む。

2. 従業員は、心身の不調を感じた場合、速やかに上司または人事担当者に相談すること。

3. 会社は、相談を受けた場合、適切な対応を行う。

なぜ必要か:
「相談していいんだ」という安心感を与え、早期発見・早期対応に繋げます。

③休職条項

休職のルールを明確にします。

第○条(休職)

1. 従業員が次の各号のいずれかに該当する場合、会社は休職を命じることができる。
(1)業務外の傷病により、継続して○日以上欠勤したとき
(2)精神または身体の疾患により、業務に耐えられないと認められるとき

2. 休職期間は、次のとおりとする。
勤続3年未満: ○ヶ月
勤続3年以上: ○ヶ月

3. 休職期間中は、無給とする。ただし、健康保険の傷病手当金を受給できる場合は、その手続きを支援する。

4. 休職期間中の社会保険料本人負担分は、本人が会社指定の方法で支払うものとする。

5. 休職期間は、勤続年数に含めない。また、賞与の算定期間から除外する。

6. 休職中の従業員は、毎月○日までに診断書を提出し、療養状況を報告すること。

7. 会社からの連絡には、速やかに応答すること。正当な理由なく連絡が取れない場合、懲戒処分または退職とすることがある。

なぜ必要か:
休職の要件、期間、給与、社会保険料、報告義務を明確にし、トラブルを防ぎます。

④復職条項

復職のプロセスと基準を定めます。

第○条(復職)

1. 休職中の従業員が復職を希望する場合、休職期間満了の○日前までに、医師の診断書を添えて復職を申し出ること。

2. 会社は、診断書の内容、本人との面談、必要に応じて産業医等の意見を踏まえ、復職の可否を判断する。

3. 復職の基準は、原則として元の業務に復帰できる状態とする。

4. 会社が必要と認めた場合、復職後○週間〜○ヶ月のリハビリ勤務を命じることができる。リハビリ勤務中は、勤務時間・業務内容を軽減し、実働時間に応じた賃金を支払う。

5. リハビリ勤務期間中に復職が困難と判断した場合、再度休職を命じることがある。

なぜ必要か:
復職判断の基準を明確にし、「言った言わない」のトラブルを防ぎます。リハビリ勤務の規定も重要です。

⑤休職期間満了条項

休職期間が満了した場合の扱いを定めます。

第○条(休職期間満了)

1. 休職期間が満了しても復職できない場合、期間満了日をもって自然退職とする。

2. 休職期間満了の○日前までに、会社は本人に通知する。

3. 復職後○ヶ月以内に同一または類似の事由で再度休職した場合、前回の休職期間と通算する。

なぜ必要か:
期間満了時の扱いを明確にし、「いつまでも休職できる」という誤解を防ぎます。

⑥ハラスメント禁止条項

ハラスメントを明確に禁止します。

第○条(ハラスメントの禁止)

1. 従業員は、他の従業員に対し、パワーハラスメント、セクシュアルハラスメント、マタニティハラスメント等のハラスメント行為を行ってはならない。

2. ハラスメント行為を行った者は、懲戒処分の対象とする。

なぜ必要か:
会社の「ハラスメントは許さない」という姿勢を示し、抑止効果を持たせます。

⑦相談体制条項

相談窓口を明示します。

第○条(相談体制)

1. 会社は、メンタルヘルスやハラスメントに関する相談窓口を設置する。

2. 相談窓口: [社内担当者名]、[外部窓口(社労士等)連絡先]

3. 会社は、相談した従業員に対し、不利益な取扱いを行わない。

なぜ必要か:
「困った時に、ここに相談できる」という安心感を与えます。不利益取扱い禁止も明記することが重要です。

すぐ使えるポイント

上記の条文を、自社の実情に合わせて微調整しましょう。

○の部分に具体的な数字を入れる:

  • 欠勤○日 → 「7日」「14日」など
  • 休職期間○ヶ月 → 「3ヶ月」「6ヶ月」など
  • 診断書提出○日前 → 「14日前」など
  • 定期報告○日まで → 「毎月末日」など

社労士に相談して最終チェック:
法律に適合しているか、自社の実情に合っているか、専門家の目でチェックしてもらいましょう。

この7つの条文があれば、メンタルヘルス対応の基盤が整います。

会社の規模に合わせた「4段階のロードマップ」と優先順位

企業規模別の現実的な取組みステップ

一度に全部やろうとしても、無理です。会社の規模に応じて、優先順位をつけて取り組みましょう。

【従業員10名未満】最低限の備え

小規模企業は、シンプルに。まずは最低限の備えから。

優先度1: 就業規則の作成(法律上は不要だが、作成推奨)
10名未満なら法律上は就業規則の作成義務がありませんが、作成を強く推奨します。休職・復職条項を盛り込み、シンプルでOK(5〜10ページ程度)。

優先度2: 相談窓口の明確化
社長が窓口、または外部(社労士)に委託。従業員に「困ったことがあったら、ここに相談して」と周知。

優先度3: 定期的な声かけ
月1回、社長が全員と雑談。「最近どう?」の一言が、早期発見に繋がります。

10名未満なら、この3つでスタート。社長と従業員の距離が近いので、「声かけ」が一番効果的です。

【従業員10〜30名】運用体制の構築

少し組織が大きくなったら、仕組みを整えます。

上記に加えて:

優先度4: ハラスメント防止規定の整備
就業規則にハラスメント禁止条項を明記。社長が朝礼や会議で「ハラスメントは許さない」と宣言。

優先度5: 労働時間の見える化
タイムカード導入(手書きでもOK)。月間残業時間を集計し、誰がどれだけ働いているかを把握。

優先度6: 外部相談窓口の設置
社労士と顧問契約を結び、外部相談窓口を設置。「社内に言いにくいことを、外部に相談できる」安心感を提供。

この規模になると、社長が全員の様子を常に把握するのは難しくなります。仕組みで補いましょう。

【従業員30〜50名】予防施策の実施

組織がさらに大きくなったら、予防策を強化します。

上記に加えて:

優先度7: 管理職研修の実施
年1回、ハラスメント防止研修を実施。外部講師(社労士等)を招いて、2時間程度。部下のメンタル不調への気づき方も学びます。

優先度8: 無記名アンケート実施
年1回、従業員の声を吸い上げ。「職場で困っていることは?」「改善してほしいことは?」無記名だから、本音が出ます。

優先度9: ストレスチェックの実施
50人未満は法律上義務ではありませんが、任意で実施を推奨。高ストレス者を早期発見できます。

この規模になると、管理職の役割が重要になります。管理職を教育することで、組織全体のメンタルヘルス対応力が上がります。

【従業員50〜100名】組織的な取組み

50名を超えたら、法律上の義務も増えます。組織的に取り組みましょう。

上記に加えて:

優先度10: ストレスチェック実施(法律上義務)
50人以上は義務です。高ストレス者への面接指導、集団分析を活用して、職場環境を改善。

優先度11: 産業医との連携
50人以上は産業医選任が義務です。復職判断で産業医の意見を聴取するなど、連携を強化。

優先度12: 人事担当者の配置
専任または兼任で、労務管理担当者を配置。メンタルヘルス対応の窓口となり、社長の負担を軽減。

この規模になると、社長一人では対応しきれません。人事担当者、産業医、社労士——専門家チームで対応する体制を作りましょう。

ロードマップの使い方

1. 現在の自社の規模・状況を確認
うちは何人? どこまでできている?

2. 優先度の高いものから順番に取り組む
一度に全部やろうとしない。今年はこれ、来年はこれ、と計画的に。

3. 小さく始めて継続
完璧を目指さない。まずは始めて、続けることが大事。

4. 1年ごとに見直し、次のステップへ
年度末に振り返り、「次は何をやろう?」と計画を立てる。

このロードマップを参考に、自社に合ったペースで進めましょう。焦らず、着実に。

もし労災申請や損害賠償と言われたら? パニックにならないために

労災申請があった場合の対応

「メンタル不調は労災です。申請します」
従業員からこう言われたら、パニックになりますよね。でも、落ち着いてください。
労災申請は労働者の権利です。会社は拒否できません。
会社には協力義務があります。事業主証明を求められたら、事実に基づいて記入しましょう。
労働基準監督署の調査が入ったら、誠実に対応することが大切です。隠蔽や非協力は、逆効果です。

労基署の調査で提出を求められる資料

労基署の調査では、次のような資料の提出を求められます。

  • 労働時間記録(タイムカード、勤怠データ)
  • 業務内容に関する資料(業務指示書、報告書等)
  • 就業規則
  • 面談記録、指導記録
  • その他、関連資料

だからこそ「記録」が重要なんです。
適切に対応していたことを、記録で証明できます。
逆に、記録がないと、労働者の主張が通りやすくなります。
「長時間労働があった」「パワハラがあった」と言われても、反論できません。
日々の記録が、会社を守ります。

損害賠償請求への対応

労災認定と、民事上の損害賠償請求は別物です。
労災が認定されても、会社の責任がゼロになるわけではありません。
安全配慮義務違反を理由に、会社に直接、損害賠償請求されることがあります。

金額は極めて高額になる可能性があります。
実際の判例では、数千万円から1億円を超える賠償額となるケースもあります。

例えば、後遺障害が残った場合の慰謝料だけで、重度の場合は2,000万円以上になることがあります。
これに逸失利益(将来得られたはずの収入)が加わるため、総額は非常に高額になります。
裁判になれば、弁護士費用もかかります(数十万円〜数百万円)。時間も労力も、膨大です。
そして何より、企業の信用失墜は計り知れません。 だからこそ、日頃からの予防策が極めて重要なのです。

予防策

損害賠償を請求されないために、日頃から予防策を講じましょう。

  • 就業規則整備(休職・復職ルール、ハラスメント禁止)
  • 労働時間管理(長時間労働の是正)
  • ハラスメント防止(研修、相談体制)
  • 相談体制構築(社内・社外窓口)
  • 記録管理(面談、指導、労働時間、すべて記録)

これら全てが「安全配慮義務を尽くした」証拠になります。
「うちは、ちゃんと対応していました」と胸を張って言えるように、日々の積み重ねが大事です。

トラブル発生時の専門家連携

万が一、トラブルが発生したら、すぐに専門家に相談しましょう。

社労士:
労災対応、就業規則、労務相談全般をサポート。労基署の調査対応もお任せください。

弁護士:
訴訟対応、示談交渉を担当。法的な主張を組み立てます。

社労士と弁護士、両者の連携が重要です。

早めに相談することで、被害を最小限に抑えられます。

「自分で何とかしよう」と思わないでください。専門家を頼りましょう。

トラブル時のNG対応

トラブルが起きた時、絶対にやってはいけないこと。

  • 隠蔽(労災隠しは犯罪です)
  • 証拠の破棄(タイムカードを捨てる、メールを削除する等)
  • 労働者への圧力(「訴えるな」「黙っていろ」等)
  • 専門家に相談せず、自己判断で対応

これらは、事態を悪化させます。絶対にやめましょう。

トラブル時のOK対応

正しい対応は、こうです。

  • 事実確認を冷静に(感情的にならない)
  • 記録をきちんと保管(証拠を残す)
  • すぐに専門家(社労士、弁護士)に相談
  • 誠実に対応(隠さない、嘘をつかない)

誠実に対応することで、最悪の事態を避けられます。

トラブルは起きないのが一番。でも、万が一に備えて、記録を残し、専門家と繋がっておくことが大切です。

「作って終わり」にしない、年1回の就業規則の見直し

就業規則は「作って終わり」ではない

就業規則を作って、引き出しにしまったまま——これ、よくあります。
でも、それではもったいない。就業規則は「作って終わり」ではなく、「使いながら育てる」ものです。
法改正、会社の成長、トラブル事例——状況は変わります。それに合わせて、就業規則も見直しましょう。

PDCAサイクルの実践

PDCAサイクルを回すことで、就業規則を「生きた制度」にできます。

Plan(計画)

年度初め(4月または1月、自社の事業年度に合わせて)に、今年度の目標を設定しましょう。

「今年度は休職制度を見直す」
「ハラスメント研修を実施する」
「無記名アンケートを始める」

目標を立てたら、年間スケジュールを作成。

4月: 就業規則見直し
6月: ハラスメント研修実施
10月: 無記名アンケート実施
3月: 年度末振り返り

こうやって、計画的に進めます。

Do(実行)

計画に沿って、実施します。

  • 就業規則改定(社労士に依頼)
  • 研修実施(外部講師を招く)
  • 月1面談の開始
  • 無記名アンケートの実施

できることから、着実に。

Check(評価)

年度末(3月)に、振り返りましょう。

  • 休職者は何人いたか
  • 復職はスムーズだったか
  • トラブルはあったか
  • 従業員満足度はどうか(アンケート結果)
  • 離職率は下がったか

数字で評価することが大事です。「なんとなくうまくいった」ではなく、「休職者がゼロだった」「離職率が前年比30%減」と、具体的に。

Action(改善)

評価を踏まえて、課題を抽出し、次年度の計画に反映します。

「休職期間が短すぎた」→ 期間延長を検討
「ハラスメント相談が多い」→ 研修を年2回に増やす
「復職判断が曖昧だった」→ チェックリストを作成

改善点が見つかったら、すぐに次の計画に組み込みましょう。

このPDCAサイクルを回すことで、就業規則が進化していきます。

年1回の就業規則見直しタイミング

就業規則の見直しは、年1回が目安です。

タイミング:

  • 年度末(3月)または年度初め(4月)
  • 法改正のタイミング(4月、10月が多い)
  • トラブル発生時(都度見直し)

年度末に振り返って、「ここを変えよう」と決めて、年度初めに改定——このリズムが理想的です。

見直しのチェックポイント

見直しの際に、次の点をチェックしましょう。

□ 法令に適合しているか(法改正に対応しているか)
□ 実際の運用と乖離していないか
□ わかりにくい条文はないか
□ 追加すべき規定はないか
□ 削除すべき規定はないか

「法律が変わったのに、就業規則が古いまま」——これ、意外と多いです。法改正情報は、社労士が教えてくれます。

社労士との定期相談

社労士と顧問契約を結んでいれば、年1回の就業規則チェックがセットになっていることが多いです。

  • 法改正情報の提供
  • 就業規則の適法性チェック
  • トラブル事例の共有
  • 改善提案

「今年はこういう法改正があったので、この条文を変えましょう」と、具体的にアドバイスしてくれます。

自分で法改正を追いかけるのは大変です。専門家に任せましょう。

従業員への周知

就業規則を改定したら、必ず従業員に周知しましょう。

改定しても、従業員が知らなければ意味がありません。

周知方法:

  • 説明会の実施(30分程度でOK)
  • 「こういう理由で、こう変更しました」と説明
  • 質疑応答の時間を設ける
  • 改定後の就業規則を配布(または社内掲示)

従業員の理解と協力を得ることが、制度を機能させる鍵です。

「勝手に変えられた」と思われないように、丁寧に説明しましょう。

就業規則は、PDCAで回す。作って終わりではなく、使いながら育てる。これが、就業規則を「会社の守り神」にするコツです。

社労士に相談すべきタイミングと、賢い使い方

社労士に相談すべきタイミング

「社労士って、いつ相談すればいいの?」
こんなタイミングで、ぜひ相談してください。

①就業規則を作成・見直ししたい
新規作成、法改正対応、メンタルヘルス対応の追加など。

②休職者が出て対応に困っている
「どう対応すればいいか」「診断書の見方がわからない」など。

③復職判断で迷っている
「復職させていいのか」「リハビリ勤務の設計」など。

④労災申請があった
労基署の調査対応、事業主証明の書き方など。

⑤ハラスメント相談があった
事実確認の進め方、懲戒処分の判断など。

⑥助成金を活用したい
「どの助成金が使えるか」「申請の仕方」など。

⑦法改正への対応が必要
「何が変わったのか」「うちの会社は何をすればいいか」など。

⑧定期的な労務相談がしたい
顧問契約で、月1回の定期相談。小さな疑問も、すぐ解決。

社労士ができる支援内容

社労士は、こんなことをサポートします。

  • 就業規則の作成・見直し
  • 休職・復職の個別相談
  • 労働時間管理のアドバイス
  • 労災対応のサポート
  • ハラスメント対応のアドバイス
  • 助成金の申請代行
  • 定期的な労務相談(顧問契約)
  • 研修講師(ハラスメント防止、メンタルヘルス等)

「労務のことなら、なんでも相談できる」——それが社労士です。

助成金活用で費用を賄う

さらに賢い方法があります。

就業規則整備+助成金申請をセットで依頼すれば、助成金受給額で社労士費用を賄えることがあります。

例:
就業規則整備費用: 20万円
助成金受給額: 30万円
→ 実質、プラス10万円

費用負担なしで、制度整備ができるんです。

中小企業専門の社労士を選ぶ

社労士にも、得意分野があります。
大企業向けの社労士に相談すると、「大企業の理想論」を語られることがあります。
「それ、うちみたいな小さい会社には無理です…」

中小企業専門の社労士なら、「中小企業の現実」に即した提案をしてくれます。

  • 「人手不足だから、こうしましょう」
  • 「予算が限られているなら、まずここから」
  • 「助成金を使えば、費用を抑えられます」

こうした提案ができるのが、中小企業を知り尽くした社労士です。

当事務所も、中小企業の実情に精通しています。建設業・製造業の労務にも詳しいので、業界特有の課題にも対応できます。

社労士活用の流れ

1. 相談
まずは相談で、現状をヒアリング。

2. 提案
優先すべき対策を提案。費用見積もりも提示。

「メンタルに強い会社」は、結局「採用」にも強い!働きやすさを武器にした採用戦略

働きやすさは最強の採用ツール

「求人を出しても、全然応募が来ない」
こんな悩み、ありませんか?
給料を上げても、なかなか人が集まらない時代です。求職者は、給与だけで会社を選びません。
「この会社は働きやすそう」——これが決め手になります。
特に若手は、「ホワイト企業」を求めています。長時間労働、パワハラ、休めない——こうした会社は、敬遠されます。

メンタルヘルス対応が整っている = 働きやすい会社

メンタルヘルス対応がしっかりしている会社は、働きやすい会社です。

  • 休職制度がある → 「万が一の時も安心」
  • ハラスメント防止 → 「安心して働ける」
  • 相談体制 → 「困った時に相談できる」
  • 労働時間管理 → 「長時間労働がない」

こうした制度があると、求職者に安心感を与えます。

「この会社なら、大丈夫そう」

そう思ってもらえたら、採用は成功です。

求人票・採用サイトでのアピール方法

働きやすさを、求人票や採用サイトでアピールしましょう。

求人票の記載例:

【働きやすさ自慢!】

✓ 休職・復職制度完備(万が一の時も安心)
✓ ハラスメント防止規定あり(相談窓口も設置)
✓ 残業月平均25時間(ノー残業デー実施中)
✓ 有給取得率85%(取りやすい雰囲気)
✓ メンタルヘルス相談窓口あり(外部専門家と連携)


※ただし、事実に基づく内容を記載してください。虚偽の記載は、後でトラブルの元になります。「実際に制度があり、運用している」ことが前提です。

こうやって、具体的に書くことが大事です。

「アットホームな職場です」という曖昧な表現より、「残業月平均25時間」「有給取得率85%」という数字の方が、説得力があります。

採用面接でのアピール

面接の場でも、働きやすさをアピールしましょう。

「うちは就業規則がしっかりしています。休職制度もあるし、メンタルヘルス対応も整備しています」
「困った時に相談できる体制があります。社内だけでなく、外部の社労士にも相談できるんですよ」
こうした説明が、応募者の不安を解消します。

特に「前の会社でパワハラがあって…」という人には、「うちはハラスメント防止規定があって、研修もやっています」と伝えると、安心してもらえます。

口コミサイトでの評価向上

今の求職者は、転職関連の口コミサイトを必ずチェックします。
インターネット上の口コミやレビューを見て、会社を判断します。
「働きやすい」と投稿されれば、応募が増えます。
「ブラック」と書かれれば、応募が減ります。
口コミは、日々の労務管理の結果です。

メンタルヘルス対応をしっかりやって、従業員に「この会社、働きやすい」と思ってもらえれば、自然と良い口コミが増えます。

離職率の低下 = 採用コスト削減

メンタルヘルス対応を整備すれば、離職率が下がります。
離職率が下がれば、採用頻度が減ります。

採用コストが削減できます。

  • 求人広告費: 数十万円
  • 面接にかける時間: 社長の時給×面接回数
  • 新人教育コスト: 数ヶ月分の人件費

1人採用するだけで、これだけのコストがかかります。
離職率を下げれば、このコストが削減できるんです。
そして、既存の従業員が定着すれば、ノウハウも蓄積され、業務効率も上がります。
好循環が生まれます。

「働きやすい会社ランキング」への掲載

自治体、商工会議所、業界団体などが、「働きやすい会社ランキング」や表彰制度を実施しています。

  • 「健康経営優良法人」認定(経済産業省)
  • 「ホワイト企業認定」
  • 「働きやすい職場づくり表彰」

こうした認定を受けると、対外的なアピールになります。
求人票に「健康経営優良法人認定企業」と書けます。
応募者に「この会社、ちゃんとしてるんだな」と思ってもらえます。

採用力 = 企業の競争力

良い人材が集まれば、業績が向上します。
業績が向上すれば、さらに働きやすい環境を整備できます。
さらに良い人材が集まります。
好循環で、企業が成長していきます。
逆に、人が集まらない、すぐ辞める——これでは、企業は成長できません。
採用力は、企業の競争力そのものです。

働きやすさをアピールして応募が増えた建設業

建設業G社(従業員20名)の事例です。
求人票に「メンタルヘルス対応完備」「残業少なめ、相談しやすい環境」と記載しました。
ハローワークの求人票にも、具体的に書きました。
結果、応募数が前年比2倍に。
「建設業はきついイメージがあったけど、この会社は違いそう」という応募者が増えました。
採用した若手も「安心して働けます」と定着しています。
働きやすさは、武器になります。メンタルヘルス対応を整備することは、採用戦略でもあるんです。

まとめ

全6回にわたって、メンタルヘルス対応と就業規則について学んできました。

第1回では、メンタル不調を放置するリスクを。第2回では、休職ルールのシンプルな作り方を。第3回では、復職判断の基準を。第4回では、初期対応の極意を。第5回では、再発させない環境づくりを。そして第6回では、就業規則の総仕上げをお伝えしました。

メンタルヘルス対応は「コスト」ではなく「投資」です。

トラブルを防ぎ、離職率を下げ、採用力を高め、企業ブランドを向上させます。そして何より、従業員の幸せに繋がります。すべてが、企業成長に繋がるんです。

就業規則は「縛る道具」ではなく「守る盾」です。

従業員を守り、会社を守り、お互いの信頼関係を築く基盤になります。休職・復職のルール、ハラスメント防止、相談体制——これらを就業規則に盛り込むことで、安心して働ける職場ができます。

小さく始めて、継続する。

一度に全部やろうとしないでください。できることから、一つずつ。10名未満なら月1面談から。30名なら外部相談窓口の設置から。50名ならストレスチェックから。会社の規模に応じて、優先順位をつけて取り組みましょう。

継続することで、会社の文化になります。「この会社は、従業員を大切にしてくれる」と思ってもらえるようになります。

今から始める3つのアクションこと

1. 就業規則をチェックする
メンタルヘルス対応の規定がありますか? 休職・復職のルールは明確ですか? ハラスメント禁止条項はありますか? まずは確認してみましょう。

2. 従業員の声を聞く
月1面談、無記名アンケート、意見箱——どんな方法でもOK。従業員の本音を聞く仕組みを作りましょう。

3. 社労士に相談する
無料相談を活用して、「うちの会社、何から始めればいいか」を聞いてみましょう。専門家のアドバイスが、第一歩を踏み出す勇気になります。

最後のメッセージ

メンタルヘルス対応は、経営者の責任であり、従業員への愛情表現です。
「この会社で働いてよかった」従業員にそう思ってもらえる会社づくりを、目指しましょう。
就業規則の整備が、その第一歩です。

あなたの会社の未来のために、今、行動を。


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