ご相談内容【想定相談事例】
大阪市内で従業員20名の会社を経営しています。来月、育児休業を取得していた社員が復職する予定です。会社としてスムーズな職場復帰を支援したいと思っていますが、何をすべきか、またどんな助成金が使えるかが分かりません。
育休明け社員への対応と、活用できる助成金の種類・金額について教えてください。
お悩み
- 育休明け社員に対して会社はどんな支援をすべき?
- 使える助成金の種類と金額は?
- 助成金を受けるために何を準備すればよい?
結論:「育児休業等支援コース」を活用すれば、最大で合計60万円超の助成金を受給できる
結論から申し上げますと、育休明け社員の職場復帰を支援した中小企業には、「両立支援等助成金(育児休業等支援コース)」として、育休取得時・職場復帰時それぞれ最大30万円、合計最大60万円の助成金が支給されます。
育休明け支援のポイント
① 育休取得時・職場復帰時にそれぞれ30万円(合計最大60万円)が受給可能
② 育休中の代替要員を確保した場合は、別途「育休中等業務代替支援コース」も活用できる
③ 助成金受給には「育休復帰支援プランの策定」と「原則として原職復帰・6か月継続雇用」が主な要件
④ 就業規則の整備が受給の前提条件になる
支援の仕組みを事前に把握しておくことで、計画的に申請準備を進めることができます。
使える主な助成金
① 両立支援等助成金(育児休業等支援コース)
育休取得時(30万円)
育休復帰支援プランを策定し、対象社員が育休を取得した場合に支給されます。
主な要件
- 育休復帰支援プランを策定する(引継ぎ計画・面談の実施など)
- 育休取得前に上司または人事担当者が対象者と面談を実施している
- 就業規則に育児休業規定が整備されている
職場復帰時(30万円)
育休取得時の助成金を受給した対象者が復職し、6か月継続雇用された場合に支給されます。
主な要件
- 育休中に職務・業務情報の提供を行っている
- 復帰前に上司または人事担当者が面談を実施している
- 原則として原職(または同等の職)に復帰させている
- 復職後6か月以上継続雇用している
② 育休中等業務代替支援コース
| 代替方法 | 支給額の目安 |
|---|---|
| 代替要員を新規雇用した場合 | 最大67.5万円(6か月以上の場合) |
| 既存社員に業務を代替させた場合 | 最大10万円 |
育休取得時の助成金と組み合わせることで、さらに大きな受給が可能になります。
助成金受給のための準備
育休復帰支援プランとは
育休復帰支援プランとは、中小企業が育休の取得から復職後の定着までを支援するために策定する計画書です。厚生労働省が策定マニュアルを公表しており、無料で活用できます。
プランに記載する主な内容
- 育休取得前の引継ぎスケジュール
- 育休中の情報提供の方法・頻度
- 復職前面談の実施時期と担当者
- 復職後の業務内容・勤務形態(時短勤務など)
就業規則の整備が前提
助成金受給の大前提として、育児休業に関する規定が就業規則に整備されていることが必要です。就業規則が未整備の場合や労働基準監督署への届出が済んでいない場合は、先に対応する必要があります。
育休明け社員への職場復帰支援の実務
復職前の面談
復職日の1か月前を目安に、本人と面談を行います。
確認すべきポイント
- 復職予定日・勤務形態(時短勤務の希望など)
- 担当業務の内容と範囲
- 保育所の送迎など、就業時間に影響する事情
- 本人の不安や希望
職場への事前共有
復職社員を受け入れる側のメンバーへの事前共有も重要です。「どんな業務を担当するか」「時短勤務になるか」などを周知しておくことで、復職後の摩擦を防ぐことができます。
時短勤務・フレックス勤務などの制度案内
育児・介護休業法により、3歳未満の子を育てる労働者には所定労働時間の短縮措置(時短勤務)の付与が義務付けられています。就業規則への明記と、本人への制度説明を忘れないようにします。
よくある質問
Q1:助成金の申請はいつまでにすればよい?
A:育休取得時・職場復帰時それぞれで支給申請の期限があります。期限を過ぎると受給できなくなるため、各ステップで申請時期を事前に確認しておくことが重要です。詳細は最新の厚生労働省の案内または社労士に確認してください。
Q2:男性社員が育休を取得した場合も対象になる?
A:はい、育児休業等支援コースは男女問わず対象です。近年は男性育休の取得を支援するコースも拡充されています。
Q3:小規模な会社でも申請できる?
A:中小企業が対象の助成金が多く、規模の小さな会社こそ活用できます。就業規則の整備など、要件を満たすための準備を社労士とともに進めることが、確実な受給につながります。
まとめ
育休明け社員の職場復帰支援については、
- 両立支援等助成金(育児休業等支援コース)で育休取得時・復職時それぞれ最大30万円、合計最大60万円が受給可能
- 育休中の代替要員確保には「育休中等業務代替支援コース」も活用できる
- 受給には育休復帰支援プランの策定・面談の実施・原職復帰・6か月継続雇用が主な要件
- 就業規則の整備が助成金受給の前提
という流れが基本です。
上本町社会保険労務士事務所では、育休復帰支援プランの策定サポート、就業規則の育児休業規定の整備、助成金申請の手続き代行などを通じて、育休明け社員の職場復帰を会社・社員の双方にとってスムーズにするお手伝いをしています。
「育休明けの社員の受け入れ方が分からない」
「助成金を受け取りたいが、何から準備すればよいか分からない」
そんなお悩みがあれば、まずはお気軽にご相談ください。

